日 時:5月18日(日)18時30分
場 所:ミューザ川崎 市民交流室
講 師:三澤洋史(新国立劇場首席合唱指揮者)
テーマ:「ワーグナーとヴェルディにおける合唱の役割」
ヴェルディもワーグナーも合唱を大切に扱っていましたが、そのアプローチは大きく異なっています。ヴェルディでは、必ず「コンチェルタート」と呼ばれる、合唱と独唱アンサンブルの見せ場を意図的に設定しています。また、最後の作品「ファルスタッフ」終幕では、伝統的な「フーガ」という形式に回帰し、「世の中全て道化」と締めくくっています。
一方、ワーグナーにおいては、晩年に行くに従って合唱の扱いは自由となり、「ニーベルングの指環」では、最後の「神々の黄昏」第2幕以降のみの使用。「トリスタンとイゾルデ」では、第1幕で男声合唱のみの使用となります。最後の作品「パルジファル」終幕においては、合唱はもはや管弦楽に分かち難く溶け込んでおり、天上的なサウンドの一要素となっています。こうした、両巨匠の合唱の扱いを通して、それぞれの作曲家の世界観を浮き彫りにしていきたいと思っています。(講師記)
参加費:協会員 1,000円(ユース会員無料) 一般 2,000円 学生 1,000円