11/23第412回例会 ワーグナー・ゼミナール(287)「人格化されたパラドクス」 ~クンドリー試論

 このたびの台風で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

第412回 例会 ワーグナー・ゼミナール(287)

日 時:11月23日(土)18時30分開演(18時10分開場)

場 所:世田谷がやがや館 4F多目的室 

世田谷区池尻2-3-11 東急田園都市線「池尻大橋」駅徒歩7分。東口を出て国道246沿いに左に歩き、ガソリンスタンドの向こうの道を左折、しばらく直進、コインランドリーとOGINOの間の道を左折、東京栄養食糧専門学校の先、右側の建物です。

テーマ:「人格化されたパラドクス」 ~クンドリー試論

講 師:北川千香子 (慶應義塾大学准教授)

参加費:協会員1000円(ユース会員無料)  一般2000円 学生1000円

ワーグナーの最後の作品《パルジファル》に登場するクンドリーは、これまで多くの研究者たちによってさまざまに議論されてきました。彼らの見解は次の点で一致しています。すなわち、この人物像をワーグナー作品のみならず、オペラ史のなかでも「最も矛盾に満ちた多層的な人物像」と見なしている点です。クンドリーは、ワーグナーが聖書、神話、中世文学など多様な文献に登場する複数の人物像を題材として構想した役柄です。しかしその多層性はむしろ、作品成立以降のきわめて複雑な受容史のなかで形成されたといえます。時代の変遷とともに、それぞれの社会的・文化的な文脈においてクンドリー像がどのように変容してきたのか、そのダイナミズムを、ワーグナーの同時代の受容から現代の演出までを視野に入れながら論じます。そしてクンドリーとは、「時代を反映しながら時代を超越する」(アドルノ)という芸術のパラドクスをラディカルに体現した人物像であることを明らかにしたいと思います。(講師記)