日本ワーグナー協会は、19世紀ヨーロッパの精神文化を代表する作曲家リヒャルト・ワーグナーの芸術を探求し広く紹介すること、それによって日本の芸術文化に貢献することを目的として1980年4月に設立されました。東京で開催される月例会、関西・名古屋などの定例会の活動を中心に、テーマ別に専門家を講師に招き講演会、レクチャーコンサート、ヴィデオ鑑賞会、パネルディスカッションなどを開催し、ワーグナーの作品をあらゆる角度から研究、分析し多岐にわたるワーグナーの芸術を正しく紹介するように努めています。また、来日中の著名な演奏家、演出家等のトーク、彼らを囲むパーティなど多彩なプログラムが企画されています。
出版物では、季報「リング」を通じて会員相互の意見交換、情報の提供をするほか、多彩な執筆陣による「年刊ワーグナーフォーラム」は、世界のワーグナー協会には類を見ない理論と実践をつなぐ学際的な研究誌として内外で高い評価を得ています。また、不定期ながら決定版ともいえるワーグナー作品の音楽註・訳註付き対訳本の出版も行っています。
さらに、国際ワーグナー協会の一員として世界の協会との交流を図るとともに、バイロイト祝祭劇場をはじめとする欧米音楽界との密接な情報交換や人的交流を行うなど、民間レベルでの文化交流の架け橋として国際親善に少なからず寄与しています。
また、3年に一度ヨーロッパで開催される「国際ワーグナー歌唱コンクール」に協会のオーディションで選ばれたすぐれた声楽家を派遣助成し、若手演奏家の育成にも努めています。