理事長挨拶

日頃より、日本ワーグナー協会の運営に当たりましては、協会員の皆様、関係先の皆様には暖かいご支援とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。
2018年6月2日に開催されました日本ワーグナー協会理事・評議員会におきまして、昨年8月14日に逝去された三宅幸夫前理事長の後を引き継ぎ、第4代理事長に選任されました。一言ご挨拶申し上げます。
当協会は「ワーグナーの芸術を探求し、広く紹介することで、日本の芸術文化に貢献すること」を理念に1980年に設立されました。以来、例会の開催(毎年、東京地区で10~11回、関西地区4回、中部地区1回)、会報誌(年4回)や年刊誌の刊行を中心にその活動を続けております。
協会の設立当時、ワーグナーといえば、その長大さと大掛かりな舞台装置、歌手・奏者の負担の大きさなどを理由に上演機会の限られる作品であり、録音で楽しむことが主でした。国内で生の上演に接することは、それ自体が一大イベントといった位置づけであり、当協会でも、何年かに一度の公演に合わせ、ワーグナーゼミナールなどの勉強会を通じて作品理解を深め、皆、期待に胸を膨らませて劇場に足を運んだものです。
それが今や、様々な形式による数多くの上演機会に恵まれ、誰もが気軽に楽しむことが出来るようになりました。本家のバイロイト音楽祭においても、かつては入手に困難を極めていたチケットがネット予約でも入手が可能となり、「バイロイト詣で」のハードルもずいぶんと下がりましたし、毎年、新制作の演目は、全曲が記録映像として世界中に配信されています。
ワーグナーに嵌っている人はよく承知していることですが、その作品の世界は、実に奥深いものです。アクセスが良くなった恩恵により、一人でも多くの方に気軽にワーグナーを楽しんで頂きたいのは当然ですが、一方で「深く知れば知るほど、魅入られていく」ワーグナーの魔力は、いくら上演が身近になっても全く色褪せることはありません。
もう少し作品のことを知りたい、もっと詳しい情報が欲しい・・などのご要望がございましたら、どうぞお気軽に、例会にお越しいただければと思います(詳しくは当協会事務局までお問合せください)。
それでは、今後共、どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本ワーグナー協会
理事長 鈴木伸行