日本ワーグナー協会　創立２５周年記念パーティ

２００５年１１月１３日（日）　於：帝国ホテル本館　桜の間

日本ワーグナー協会創立２５周年事業の最大のイベントとも言うべき東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による舞台神聖祝典劇『パルジファル』公演が、１１月１１日と１３日の２回、東京日比谷の日生劇場に於いて行われました。　その２回目公演終演後の１３日夕刻、協会創立２５周年記念パーティーが帝国ホテルで盛大に催されました。

パーティーには、ニッセイ文化振興財団（日生劇場）、東京シティ・フィルハーモニッ ク管弦楽団、新国立劇場運営財団、読売新聞社、東海大学出版会、精真社等、この２５ 年間協会に温かなご支援をお寄せいただいた方々を各方面からお招きしました。また、 公演の興奮さめやらぬ多数の会員を始め、『パルジファル』関係者から、指揮者のマエ ストロ飯守泰次郎、感動的なステージを繰り広げたキャストの竹田昌弘氏（パルジファ ル）、木川田澄氏（グルネマンツ）、小山由美氏（クンドリー）、島村武男氏（クリン グゾール）、高橋啓三氏（ティトゥレル）、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 楽団長 児玉慶三氏、同コンサートマスターの戸澤哲夫氏等にお出でいただき総勢１５ ０名におよぶ出席者で、華やかな祝賀の時がもたれました。

　

パーティーは、財団法人ニッセイ文化振興財団の名原剛理事長の発声による乾杯で スタートしました。次に、三宅幸夫日本ワーグナー協会理事長が、「当協会は節目節目 に様々な記念事業を実施してまいりましたが、今回の『パルジファル』公演は、会場を バイロイトとは正反対の響きをもつ日生劇場に設定し、歌手の一部を関西から招聘しま した。どのような選択をしても、得るものと失うものが生じてくるものですが、この度 は音響面でも得るものは最大限に獲得し、失うものは最小限にとどめられたのではない でしょうか。日本ワーグナー協会は、こうした公演に特別協賛できたことを誇りに思い、上演関係者のみなさまに心より御礼申し上げます、」と挨拶しました。

続いて、今回の『パルジファル』公演の最大の功労者ともいえる東京シティ・フィルハー モニック管弦楽団常任指揮者、マエストロ飯守泰次郎が以下のスピーチをしました。

飯守泰次郎氏

「日本ワーグナー協会創立２５周年おめでとうございます。このオーケストラル・オペラのプロジェクトは、２０００年の『ラインの黄金』が最初でした。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が２０００年に創立２５周年を迎えた際に、何か思い切った、しかも本当に有意義なことをしたいということでワーグナーを選び、『ラインの黄金』ならなんとかなるかもしれない、と考えて演奏しました。大変にご好評をいただき、結局４年をかけて『ニーベルングの指環』全曲公演を実現しました。更に昨年は『ローエングリン』でも大変なおほめをいただきました。しかし、経済的困難が極まり、今年のこのプロジェクトはもう無理、という危機に瀕した時に、日本ワーグナー協会が協会創立２５周年の記念事業ということで、日生劇場と共に手を差し伸べてくださったのです。
私は若い頃に日本ワーグナー協会に入っていたのですが、長く海外にいたこともあり、 一時期遠ざかっていました。日本ワーグナー協会は、バイロイトを始めとする世界最 高のオペラハウスの最高の上演を知り抜いておられる方の集まりですから、正直なとこ ろ私もちょっと恐れていたのです（一同笑）。でも例会でレクチャーをしたりするう ちに、協会のみなさんがとても温かく、肯定的な好奇心を持っておられる方々であるこ とがわかりました。世界の最高をご存知なのに、こんなにも私たちのことを理解して 肯定的に受け止めてくださって、私は驚きました。東京シティ・フィルハーモニック 管弦楽団のオーケストラル・オペラは、ワーグナー協会に支えられてここまで来ること ができました。今日も本当にありがとうございました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

難役を見事に唄いきったキャストの方達や、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 コンサートマスターの戸澤氏からもご挨拶をいただいた後、今回の公演のために来日し た韓国ワーグナー協会の朴専務理事が、「日本人だけでこのような非常に優れた『パル ジファル』上演が実現されたことに、大きな衝撃を受けました、」と感想を披露しまし た。

和やかなパーティーは、『パルジファル』関係者と会員、また会員相互間の活発な交流 の後、協会の更なる発展を祈願しながら、お開きとなりました。